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【読書】マイクロソフトでは出会えなかった天職

新しい一歩を踏み出す勇気が持てずに悩んでいる人とか、世界を変える活動をしたいと思っている人なんかにおすすめ。いろいろと勇気づけられるし、世界のために自分ができることはたくさんあるなと思える一冊です。

 

著者のジョン・ウッドは、マイクロソフト社のエグゼクティブという地位を捨て、ルーム・トゥ・リードという貧困地域に図書館や学校を設立し、子供たちに教育の場を届ける活動を始めました。そんな彼とルーム・トゥ・リードの始まりから活動を広げていくまでのストーリーが著されています。

トップページ|ルーム・トゥ・リード - Room to Read -

 

2014年8月現在、1,700校以上の学校や16,000以上の図書館・図書室を設立し、25,000人以上の少女たちに教育支援をし(貧困地域では特に女性の教育は軽視されている)、800万人以上の子供たちに教育の機会を与えてきました。次の3つの特徴が、これらルーム・トゥ・リードの成果を支えているようです。

  1. 活動の成果や寄付金の使途を明確な数字で報告する
  2. 運営コストを抑えて、実際のプロジェクトに最大限投資する
  3. 現地住民も資金や労働力を提供し、住民が主役となってプロジェクトを定着させる

 

慈善事業には資金が必要です。だから慈善団体は、「お金が必要なのです」と言うことをためらってはいけない。寄付金を得たら、その資金の使途を明確に報告する。あなたの善意はこのような形で子供たちに届けられました、と。

 

また資金だけを現地に送金して終わることはありません。ルーム・トゥ・リードは集めた資金で建築資材を購入したり現地のコーディネータを供給したりし、現地の人たちは無理のない範囲で協力して学校や図書館を設立します。
1日のうち数時間だけ作業を手伝ったり食事を提供したりすることで現地住民はプロジェクトに参画します。住民が自分たちでプロジェクトを進めることで、自分たちの学校・図書館という意識が生まれ、完成後の運営もうまくいくようになっています。

 

 

こんなことは、元マイクロソフトのすごい人だからできるんだろ、と思ってしまう人もいるかもしれません。私なんかじゃ世界は変えられない、と。でもそんなことはなくて、自分にとってはほんの些細なことであっても、貧困地域にとってはものすごく大きなことだったりします。たった1ドルを手に入れられないがために教育を受けることができない地域がこの世には存在するのです。
本書の出版時点の2007年の話ですが、2,500ドルで1人の少女への奨学金10年分になるというのです。図書館だったら1万ドル、図書室なら3,000ドルでつくれます。

 

どうでしょうか、自分も世界を変えることができる、世界に貢献できる気がしないですか。自分のほんの小さな活動が世界にインパクトを与える。夢があるよね。私自身、教育の面で地域や世界のためになにか活動することを目標のひとつとしています。この本はしばらく私のバイブル的存在になりそうです。

 

余談ですが、先日の引っ越しの際に書籍を売却代金をルーム・トゥ・リードのプロジェクトに寄付しました。数千円ですが自分の不要物がほんの少しでも役にたつのかなと思うと、なんとなく気持ちが豊かになりました。そんなこというと、結局は寄付する側の自己満足とかオナニーかよって思う人もいるかもしれませんが、自分の満足が世界の役に立つって最高じゃない?と思ったり。うん。

 

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

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